債務者の状態チェック
1.まず債務調査(借金がどこにどれくらいあるか?)をおこないます。債務者に債務調査表をお渡しし、借金の内容とこれまでの返済内容などを記入していただきます。債務の処理にはさまざまな方法がありますが、どの方法をとるにしても、次の3点は正確に把握しておくことが大切です。
○債務者の収入、財産
○家族の収入、財産
○債権者、金額、遅滞状態
借用書、領収書、振込金受取書なども照合のため、今持っているものは、「必ず控える」「無くさない」ようにしてください。
2.また、債務者や家族の意欲(特に支出をどれくらい抑えられるか?家計から何をカットできるか?など)を確認します。
以上から、利息制限法などで引き直し、おおまかな債務額の計算をします。債務額をかんがみて、「任意整理」か「民事再生」か「自己破産」のどれがよいかを判断します。
・今後の収入で返していけると判断した場合、「任意整理」をおすすめします。
・今後の収入で返していけないと判断した場合、「自己破産」を考えます。
任意整理には、債権者の承諾が必要です。この提案・交渉に対し、債権者が承諾するかしないかで次の行動が決まります。
債権者と和解(提案を承諾)できた場合
整理案を債権者が承諾すれば、その後はその案に従って返済していくことになります。
債権者と和解が実現できなかった場合
任意整理が実現できなければ、民事再生、自己破産などの別の選択肢を考えることになります。
民事再生が可能かどうか
民事再生の条件を満たすこと、また民事再生をする場合に必要な月額を計算し、あなたの収入からこの金額を算出できるかどうかによって判断します。3年~5年で債務を分割返済できる見込みがあれば民事再生の手続きをおこなうことができ、住宅ローンを有している場合は民事再生が有効です。
民事再生の申立
債務者の住所を管轄する地方裁判所に書類を提出します。
個人再生委員が裁判所より選任され、個人民事再生手続きの開始に問題がないかチェックします。
裁判所が申立を受理し、手続きの開始を決定します。
以後、強制執行や仮差押え、抵当権の実行や競売はおこなえません。実行中の場合は中止となります。
裁判所は債権者に対し、手続き開始決定の通知と債権者一覧表を送付します。
債権者は、債権者一覧表の内容に異存があれば、債権の届出をおこなったり、異議を述べることができます。
再生計画案は、債務者(または代理人)が作成し、裁判所に定められた期間内に提出します。再生計画案の内容は債務の整理方法、今後の収支計画や資金計画となります。
小規模個人再生の場合は、書面で再生計画案が過半数の債権者による反対の場合は認められません。
給与所得者等再生の場合は、条件が満たされれば基本的に認められます。
再生計画案が可決されると、裁判所は民事再生の認可を決定します
再生計画にのっとって原則3年間の返済をおこないます。